身体拡張技術を用いた、障害の壁を超える新たな身体表現の共創プロジェクト ステージパフォーマンス【IKA】【B2J】を EXPO2025 大阪・関西万博 スポーツ庁出展事業 「Sports Future Lab~スポーツがつくる未来~」にて開催

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 AXEREAL株式会社(代表取締役:安藤良一)、一般社団法人WITH ALS(代表理事:武藤正胤)、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(研究科委員長:稲蔭正彦、以下KMD)は、障害の有無にかかわらず、より自由な表現を実現する未来に向けて、荻野幹人(東京大学大学院総合文化研究科 特任研究員)、吉藤オリィ(株式会社オリィ研究所 代表取締役所長CVO)、青木駿介(株式会社電通サイエンスジャム 主席研究員)、かんばらけんた(車椅子ダンサー)、TOMC(アンビエント・プロデューサー)と共に、身体拡張技術を用いたパフォーマンスプロジェクト「異化身体表現(IKA)」および「Brain Body Jockey Project(B2J)」を推進してきました。

 このたび、2025年9月7日-8日に、大阪・関西万博の一環として開催される、大阪・関西万博スポーツ庁出展事業「Sports Future Lab ~スポーツがつくる未来~」にて、ライブパフォーマンスを行います。

 人々とテクノロジーが融合することにより生み出される、障害の有無にとらわれない新たな身体表現の可能性、そして、それが表現を超えて未来の人類の新たな日常を生み出す瞬間を、是非ご覧ください。

異化身体表現(IKA)/ Brain Body Jockey Project(B2J)

◆開催概要

 

IKA / Brain Body Jockey Project: We can Thrive

日時: 2025年9月7日(日) 19:30-20:30、2025年9月8日(月) 10:30-11:30

会場: 大阪・関西万博2025 EXPOメッセ「WASSE」-「Sports Future Lab~スポーツがつくる未来~」

入場: 無料・予約不要(大阪・関西万博への入場チケットの購入が必要です)

イベント主催  : スポーツ庁

プロジェクト主催: AXEREAL株式会社

プロジェクト共催: 一般社団法人WITH ALS、Project Cybernetic being(内閣府/JSTムーンショット型研究開発制度・目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」- 代表機関: 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)

プロジェクト協力: 株式会社オリィ研究所、株式会社電通サイエンスジャム

プロジェクト概要

異化身体表現(IKA)

 異化身体表現(IKA)では、表現する行為を何よりも重要なものと捉え、多様な身体拡張媒体を用いて、従来我々ができなかった新たな身体表現手法を模索しています。より強い衝撃に耐えられるようになる(強化)、身体が集音器になる(変容)、ドリフト運動が出来るようになる(発達)など、技術を用いて身体を拡張することで、今まで伝えられなかった様々な感情や想いが表現できるようになる未来を目指しています。本ステージでは、身体と自己をテーマにした現時点での想いをパフォーマンスとしてご紹介します。

 

2015年10月、人間の身体能力や感覚をテクノロジーによって拡張し、年齢・性別・身体能力・障害の有無に関係なく、誰もが楽しめる新しいスポーツ=超人スポーツの創出を目的として活動する超人スポーツ協会が発足。ここで生まれた「スポーツクリエイション」の考えをさらに発展させ、身体や音楽の新たな表現領域を切り拓こうという思いで、アンビエント・プロデューサーのTOMC、車椅子ダンサーのかんばらけんた、AXEREAL代表取締役の安藤良一の3人が意見を交わし、拡張身体を用いた表現を探求する創作ユニットを結成。その活動は2020年3月15日の初ステージパフォーマンスを皮切りに本格化し、以降も拡張身体と音楽・映像・パフォーマンスを融合させた作品を多数発表している。東京ビエンナーレでは神田明神を舞台に、コピーライターの並河進氏とのAR(拡張現実)作品とのコラボレーションを実施するなど、テクノロジーと芸術の交差点に立ち、多様な身体表現を追求している。

Brain Body Jockey Project(B2J)

 2050年には、人は身体を拡張する技術により、障害を乗り越えて行動することができるようになります。拡張された身体を自らの意思で動かし、家族や周囲の人と触れ合える未来が訪れます。「Brain Body Jockey Project」は、脳波を用いて動かせるアームによって、重度の障害があったとしても想いを実際の行動で伝え合える、新たな日常を提案します。ALS当事者である武藤氏と共に取り組んだ Brain Body Jockey Projectでは、BMI(Brain Machine Interface)で脳波を測ることで、身体が動かなくても操作できる車椅子搭載型サイバネティック・アバターを開発し、ライブイベントや日常での活用に取り組んでいます。

 

 ALS課題解決に取組むWITH ALS、分身ロボット開発のオリィ研究所、脳波ツール開発の電通サイエンスジャムがタッグを組み、2021年11月に脳波で分身ロボットを操作しアパレル店で接客する世界初の試みBRAIN ROBOT STOREに取り組んだ武藤正胤、吉藤オリィ、荻野幹人、青木駿介と、身体拡張技術の研究者である南澤孝太、安藤良一らが、ALS当事者にとっての拡張身体の未来について議論を行ったことをきっかけに、Project Cybernetic being における社会共創プロジェクトの一環として、Brain Body Jockey Projectが始動。2023年9月、東京・竹芝で開催された「ちょっと先のおもしろい未来2023」にて初のステージパフォーマンスを実施。EYE VDJ MASAが視線入力でVDJを行いながら、BMIとロボットアームを組み合わせたサイバネティック・アバターでのステージパフォーマンスを行う。その後、2024年11月に渋谷公会堂で開催されたALS啓発イベント「MOVE FES. 2024」におけるライブパフォーマンス等を重ね現在に至る。

◆メンバーからのコメント

 

安藤 良一(AXEREAL株式会社 代表取締役/慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Project Cybernetic being 研究員)- クリエイティブディレクター

 今回のステージパフォーマンスでは、まず〈障がいの有無〉という事実を起点に、その概念が私たちの自己理解に与える影響を考察します。続いて、内面に潜む葛藤や人と人とのつながりの中で形づくられる自己、そして友人・家族・未来へと広がる〈自己の拡張〉へと議論を進めます。私たちは、目に見える身体の境界を越えて宿る “表現したいという衝動”に光を当てたいと願っています。少々複雑な道のりになるかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いくださいますと幸いです。

 

武藤 将胤(一般社団法人WITH ALS 代表理事)- EYE-VDJ MASA

 EYE VDJ MASAのアーティスト名で、視線入力で作詞作曲した楽曲をVDJとして国内外のフェスでライブパフォーマンスしています。今回は視線入力でのVDJパフォーマンスに合わせて、リアルタイムに脳波でロボットアームもコントロールして会場を盛り上げていきます。万博ならではの身体拡張の未来を体現したエンターテイメントをお届けしますので是非お越しください。

 

南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授/ムーンショット目標1・Project Cybernetic being プロジェクトマネージャー/2025大阪・関西万博 日本館基本構想委員)- プロデューサー

 世界中で急速な進化を遂げているロボティクスやAI、サイバネティックアバターなどの最先端のテクノロジー。これらは人と競合する存在なのか、人と共創する存在なのか。2025年に暮らす私たちはまさにその分岐点に立っています。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる大阪・関西万博において、テクノロジーの力で人が拡張し、進化する。この唯一無二の場で、是非、未来に想いを馳せてみてください。

 

荻野 幹人(東京大学大学院総合文化研究科)- BMI テクニカルディレクター

 筋力や視線すら失われる状況において、残された脳の信号──たとえば音に反応する脳波──を丁寧にすくい上げ、技術によってコミュニケーションへと昇華する。それが私たちの挑戦です。高速な操作性を実現しつつ、AIを用いた高い精度を持つブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)の研究に取り組んできました。こうした工夫により、早期ALS患者だけでなく、後期患者への適用可能性も広がりつつあります。BCIは、単なる技術ではなく、人と人とをつなぐ新たな「声」です。今回のプロジェクトを通じて、その可能性の一端を体感していただければ幸いです。

 

かんばらけんた(車椅子ダンサー)- ダンスパフォーマンス

車椅子ダンサーの「かんばらけんた」です。大阪・関西万博の開会式などでも出演させていただきました。今回はドリフトできる車椅子も使い、踊らせていただきます。未来のテクノロジーや、特殊な身体を感じられるので、是非お越しください!

 

TOMC(アンビエント・プロデューサー)- ビートメイキング

私がかんばらけんたさん・安藤良一さんと身体拡張〜”異化身体”を考える緩やかな共同体〈IKA〉を結成して、はや5年以上になります。この間、AIを筆頭にテクノロジーは絶え間なく進歩し、クリエイティヴを取り巻く環境は日々変化し続けています。そうした中、私たちは身体的多様性をきっかけに、改めて人が眼前で生み出す表現の豊穣さ・逞しさをひとりでも多くの方と共有できたらと思います。皆様の前で演奏できるのを心から楽しみにしています。

◆主催・共催機関

AXEREAL株式会社 https://axereal.net/

 

 人類はこれまで世界を暮らしやすく整えてきました。次のステップとして、今度は私たち自身が環境に合わせて進化し、能力を拡張することに挑戦しませんか。我々は、機械工学・電子工学・人間拡張工学などを融合させて身体能力を高める技術を研究開発し、その成果を応用してテクノロジーと身体表現が融合した新しいエンターテインメントを世界に提供します。「世界に合わせて人間が自らを最適化する」未来へ、私たちは挑戦します。

一般社団法人WITH ALS https://withals.com/

 

 難病ALSの課題解決を起点に、全ての人が自分らしく挑戦出来るBORDERLESSな社会を創造することをミッションに、エンターテイメント/テクノロジー/介護の3領域で様々なプロジェクトを推進。テクノロジーを駆使した企画開発でADFEST、CLIO Awards、広告電通賞など国内外のクリエイティブアワードを受賞。

Project Cybernetic being(代表機関:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)

 

 内閣府/科学技術振興機構ムーンショット型研究開発制度・目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」における研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(プロジェクトマネージャー:南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・教授))では、人々の身体的経験や技能をネットワーク上で流通・共有し、障害当事者や高齢者や子どもたちを含む多様な人々が自在に行動し社会参加できる未来社会を目指して、身体の制約を突破するサイバネティック・アバター技術の研究開発と社会実装に取り組んでいます。

18の研究機関・研究室・スタートアップ企業(2025年7月現在)が参画する本プロジェクトにおいて、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project は「身体的共創を生み出すCA接続基盤技術の構築と応用展開」と題して、人々の身体的な経験や能力を共有・拡張できるようなテクノロジーの研究開発と社会実装を担当しています。

協力機関

株式会社オリィ研究所
株式会社電通サイエンスジャム

◆お問い合わせ先

 

AXEREAL株式会社 担当:安藤良一

メール:info@axereal.co

 

Project Cybernetic being 広報担当:小原和也(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)

メール:info@cybernetic-being.org

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